不人気だから巻末だし、巻末だから不人気でもある

巻末スタートの新連載なんてものがない以上、巻末が先か、不人気が先かと言われたら不人気が先なのは当然で、そこに異論はありません。
でも、「不人気だから巻末」と言われると、「それはそうなんだけど…」という気分になります。なぜなら、その逆の「巻末だから不人気」という側面も確かにあると思うからです。

ジャンプやサンデーなどの少年誌では基本的に人気作が巻頭に、不人気作が巻末に集まります。なので、そのことを予め知っている人は、巻末にあるだけでその作品を「不人気作品なんだな」と捉えてしまいます。それはまぁ仕方のないことなのですが、作品にとって「不人気作」とみなされることは、「面白くない」と思われるのと同様か、場合によってはそれ以上のダメージとなります。
第一に、どんな作品も読まれなければ面白いと思ってもらえないのに、不人気作という先入観だけで読まれる可能性がぐっと減ってしまいます。中には、そもそも不人気作を面白いと思うこと自体が嫌だという人もいるかもしれません(マイノリティに属すことになるから)。
そしてもし読んで内容を気に入ったとしても、単行本を買うに至る可能性は恐らく人気作より低いはずです。それは、「死ぬのが可哀想だからペットを飼わない」のと同様に「無残に打ち切られるのが判っているのに入れ込みたくない」という心理が働くからです。少なくとも私はそう。PSYRENとか魔王とか、掲載位置がもう少し高かったら単行本買ってると思います。
このように、掲載位置が巻末付近に固定されることは基本的にデメリットしかありません。ジャンプのようにスタートダッシュ命な雑誌ならまだわかりますし連載作家もそれを覚悟の上なんでしょうが、サンデーのように最低でも5巻位まで連載させる雑誌においてはもう少し柔軟でもいいように思うのですが、どうでしょう。
まあ本当はスタートダッシュに成功した奴だけで行きたいけどジャンプほど弾が豊富じゃないので次が決まるまでの穴埋めにある程度連載させる、といったあたりが真相な気はしますが…。