美鳥の日々 全8巻

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連載中は所々パラパラと見てただけだったんですが、単行本でまとめて読んだところ見事にハマってしまいました。


話の概要を一言で言うと、


『右手が恋人』


これだけ聞くとどんなヘンタイ漫画だ・・・と思われそうですが、実際はいたって普通のラブコメです(若干ハーレム気味)。ただ一つ、この作品には物語上必ず解決しなくてはならない重大な問題があり、基本的にはラブコメとして話が進むんですが、最終巻を除き、各巻のラスト辺りで必ずその問題の事を強く思い出させるエピソードが入ります。そのため、一冊読み終えるごとに「このままじゃだめなんだ」ということを再認識させられ、モヤモヤとしたものが残る仕掛けです。

さらに最終巻では、各エピソードごとに主要な登場人物のうち一人にスポットが当たり、言わばそのキャラの『エンディング』が展開されます。そして、それら一つ一つのエンディングが主人公たちの意志を後押しし、問題が解決へと向かった時・・・物語はクライマックスを迎えます。


ただ惜しむらくは、最後の最後がちょっとあっさりし過ぎてたかなーと。なまじそこに至るまでの盛り上がりが見事だっただけにね。個人的には、その後の話をもう少し読みたかったです。あと、基本は普通のラブコメですがたまに女装少年とか人形オタクとかが出て来るのでその辺が苦手な人にはちょっと・・・


一度読み終えて気に入った人は、もう一度初めから読むとまた違った味わいがありオススメです。


作者が現在少年サンデーで連載中の『あいこら』はヘンタイぶりに磨きがかかり過ぎていて読んでいませんでしたが、この作者ならきっとただのフェチ漫画では終わらせないでしょう。そのうち改めて初めから読んでみようと思います。