2つの『ハヤテのごとく!』

先週のラスト、ハヤテとヒナギクの会話シーンを見てて思ったんですよ。「ヒナギクって、夜のシーン多くね?」って。もっと詳しく言うなら『夜、ハヤテと二人きり』って状況がです。どこを指しているかはハヤテ読者なら言わなくてもわかりますよね?(^^;


で、ちと気になったので単行本で調べて見ましました。その結果、ざっと見た感じで『夜、ハヤテと二人きり』が最も多いキャラはマリアさんでした(汗)



・・・やばい、このままでは話が終わってしまう;;


でもヒナギクに印象的な夜のシーンが多いのは確かだしなぁ・・・マリアさんは同じ屋敷に住んでるんだから2人きりになる機会が多いのはある意味当然だし・・・仕方ない、条件を限定しよう。

  • 『夜、ハヤテと二人きり』が2話(あるいはそれ以上)に跨る話

に限定します。


そうするとこの条件に当てはまるのはハヤテ既刊11巻中でわずか4回(多分)。


まず一つ目はマリアさん。物語冒頭のクリスマスイブでナギについて尋ねた所です。とは言え1話目は轢いただけで会話をしていないのでこの条件にあてはまるかは微妙です。そして、残り3つは全てヒナギク。内訳は

  1. 4巻第4話から5話にかけてのおばけ退治in旧校舎
  2. 8巻第5話から6話にかけてのお泊りイベント
  3. 9巻第10話から10巻第2話にかけての時計塔での誕生日

です。どれもヒナギクファンなら必見のエピソードですね。さらに注目すべきは、全てのエピソードにおいてヒナギクが『二人きり』ということを強く意識している点です。


おばけ退治では「せっかく夜の学校で女の子と二人きりなんだから・・・」と言ってますし、お泊りイベントでは「夜、家に連れ込み2人きり・・・」と(モノローグで)言っています。また、時計塔のときは果たし状に「2人きりで」と書かれていたため、その後ヒナギクが『2人きり』の意味について考え悶々としています。何が言いたいかというと、作者は明らかに『ラブコメ』であることを意識してこれらの話を書いている、ということです。実際これらの話は作品中屈指のラブコメ話として読者から高く評価されている・・・ように思います。


やっぱりラブコメにおいて『夜、2人きり』というのは特別なシチュエーションだと思うんですよ。いや、別に変な意味じゃなくて(;(笑)手元に今ハヤテしかラブコメ作品がないのでハッキリとしたことは言えませんが。。。シーン数で考えた時にそれが一番多いのはマリアさんだと思うんですが、ほとんどが一瞬のことだったり二人きりじゃなくても良かったりで、ラブコメ的に重要なシーンはあまり見当たりません。例外的に、合格パーティの夜や誕生日の約束をした夜など物語上重要なものもありますが、ラブコメ的には・・・どうでしょうか。


で、長々とこんな信頼性のないデータを持ち出してきてまで何が言いたいかというと、よく「ヒナギクはサブヒロインのくせにしゃばり過ぎ」とか「作者はヒナギクを贔屓してる」とか言われますけど、ここまでくるともう贔屓とかいうレベルじゃないと思うんですよね。少なくとも私はハヤテ以外でこんなに『サブヒロイン』が目立つ作品を見たことがありません。それに対し、ハヤテ読者なら大体分かると思いますがナギとマリアにはまだ目立ったラブコメ話はほとんどありません。なので、私は今の『ハヤテのごとく!』は1つの漫画の中に2つの漫画があるような状態だと思ったりします。つまり

が存在し、その2つによって『ハヤテのごとく!』という漫画が成り立っている・・・と。この考え方でいくと、今週はAで先週はBになります。


そして、人気投票におけるヒナギクの圧倒的一位は、この漫画にラブコメを求める読者がいかに多いかを端的に表した結果だと思います。


しかし、作者自身が
「ナギとマリアがメインヒロイン」
と言っていることから、今説明した2つの『ハヤテのごとく!』は、いずれ1つの物語に収束することが約束されています。


そして既にその兆候は現れ始めています。ヒナギクマリアさんに恋の相談をし、ナギと西沢さんの間に友情が生まれ・・・WDでは結局ほとんど進展はありませんでしたが、このまま物語が順調に進めばこういった2つの物語間における交流が少しずつ増えて行き、いつか2つの物語は収束して1つの物語になるのでしょう。そして、その時初めて『ナギとマリアがメインヒロインである』ことの意味がわかるのではないでしょうか。


ただ、もう一つの方法として『Bの存在を消してしまう(ヒナギク・西沢さんのハヤテへの恋心を失わせる)』という方法もあるにはありますが、かなりのファンを敵に回すことになるかと。。。