ファンタジーな能力バトル 〈アーティストアクロ 第1巻〉

アーティストアクロ 1 (少年サンデーコミックス)

アーティストアクロ 1 (少年サンデーコミックス)

なんていうか、サンデーやばくね?

おっと、誤解のないように言っておきますが、この作品が面白くないという意味じゃないですよ。むしろ、非常に面白いです。問題は、こんなに「まさにサンデー」と言わんばかりの王道少年漫画が某所の情報によると全然売れてないらしいということ。しかも、最近の掲載順位を見るに、どうも本当のことっぽい。このままじゃいずれ大御所と萌えしか売れない雑誌になるんじゃないだろうかと不安です(既に若干その気があるけど)。

内容の方は、駆け出しのアーティストであるアクロが理想とする芸術の都を作るために奮闘する話。ただここでいう「アーティスト」というのは単なる芸術家のことではなく、HUNTER×HUNTERでいうところの「ハンター」のように、それぞれに固有の異能力を用いて芸術を表現する、言うなれば「闘う芸術家」。なので、ジャンルとしてはバトル漫画になるのかな?ちなみに主人公の能力は「触れたものを粘土のように柔らかくする」能力、『粘土細工師(クレイワーカー)』。こう書くと地味ですが、使い方次第で何とでもなる点は、『魔王』の腹話術なんかと通じるものがあります。自然バトルシーンも単なる力押しじゃない凝ったものになり、見ていて飽きません。
あとは絵がすごく綺麗。“芸術”をテーマとするからにはそれなりの画力が必要ですが、その点はクリアしていると思います。私も単行本購入の決め手は表紙の彩やかさでしたし。アクロ表紙のサンデーとか、見てみたいんですけどねぇ……最近はさらに面白くなってきてるし、今が押し時だと思うんだけどなぁ。

しかし、なんだか最近私が好きになる漫画って微妙な人気なことが多いな……歳を食って世間ズレしてきたのだろうか?まぁ「少年誌」を読む年齢じゃないことは確かですが…。


おまけ(1巻表紙)↓